世界史の時代区分

"World Civilizations: The Global Experience"という世界史教科書を読み始めた。
まえがきを読むと、「本書は時代区分に多くの注意を払っている」と書いてある。
物事の羅列ではなく、秩序だった記述をするには時代区分が必須だという。
だが歴史学では地域によって時代区分が異なるはずだ。
世界史教科書では各地域の時代区分の違いをどのように解決しているのだろうか。

 

"World Civilizations"は世界史を次の6つの時代に分けている。
第1部は「初期人類社会(前250万~前600年)」。
ヒトの種の誕生から狩猟採集段階、農耕の勃興、各地に文明が出現した時代。
第2部は「古典時代(前600~600年)」。
いくつかの文明が拡大し、広い領土を統べる文化・政治システムができた時代。
第3部は「後古典時代(600~1450年)」。
新しい商品・宗教が文明間の交流をうながした時代。
第4部は「近世(1450~1750年)」。
西洋社会の勃興、世界交流の強化、新しい帝国の形成の時代。
第5部は「産業時代の曙(1750~1900年)」。
西欧が産業化によって優位に立ち、欧州の帝国主義が成長した時代。
第6部は「世界史の最新段階(1900~現在)」。
西洋帝国主義の後退から米ソ対立、新興国の経済発展までの時代。

 

"World Civilizations"の時代区分には耳慣れない名前がいくつかある。
「古典時代(The Classical Period)」は西洋史で使われる「古典古代」と同じだ。
「後古典時代(The Postclassical Period)」は「中世」とほぼ同じ意味らしい。
Wikipediaに後古典時代は「世界史学で使われる中世の言い換え」とある。
「産業時代の曙」は西洋史における「近代」とほぼ同じようだ。
「世界史の最新段階」は西洋史の「現代」に重なる。
おおむね西洋史の時代区分をそのまま世界史でも使っているように見える。

 

ほかの世界史教科書はどうなっているのだろうか。
"Ways of the World"を開くと、やはり世界史を6つに分けていた。
区切りの細かい年代に違いはあるものの、"World Civilizations"と同じ6区分だ。
この本は序章で西洋中心史観からの脱却を掲げているのだが時代区分は西洋的だ。
"Traditions & Encounters"は世界史を7つに分けていた。
"World Civilizations"の6区分との違いは、後古典時代を2つに分けていることだ。
それでも西洋史の時代区分を世界史に使っているのは同じだ。

 

世界史ではおおむね西洋史の時代区分を使うことが分かった。
少なくとも米国の世界史教科書ではそうなっている。

 

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